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ゴルフクラブの微調整において、「アイアンの鉛の貼り方」を正しく理解することは、スイングの安定や弾道コントロールに大きな影響を与える。適切に鉛を貼ることで飛距離アップを狙ったり、フックやスライスといったミスを軽減することが可能だ。
特に、ヘッドのバランスを調整することで、方向性の改善やミート率向上につながる。
また、アイアンだけでなく、フェアウェイウッドやユーティリティにも鉛を活用することで、それぞれのクラブの特性を活かしたカスタマイズができる。
さらに、シャフトに鉛を貼ることでスイングのリズムを整えたり、手元 に鉛を貼ることでクラブのバランスを変え、結果的にシャフトが硬く なるように感じる場合もある。
一方で、鉛を重くすることによるデメリットも考慮しなければならない。重すぎるとスイングスピードが低下し、意図しない弾道変化が生じる可能性もあるため、プロの調整方法を参考にしながら、自分に合った適切な貼り方を見つけることが重要だ。
本記事では、鉛の効果や貼る位置の違い、実践的な調整方法を詳しく解説していく。
≡記事のポイント
✅スライスやフックを防ぐための適切な鉛の貼り方
✅シャフトや手元に鉛を貼ることでスイングに与える影響
✅フェアウェイウッドやユーティリティへの鉛の活用方法
アイアンの鉛の貼り方と効果を理解しよう
・飛距離アップを狙う鉛の貼り方
・フックを防ぐためのアイアン鉛調整
・スライスを抑えるアイアンの鉛の使い方
・プロが実践するアイアンの鉛カスタマイズ
アイアンに鉛を貼るとどう変わるのか?

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アイアンに鉛を貼ることで、クラブのバランスや振り心地が変わり、結果としてボールの飛び方や方向性にも影響を与えます。鉛の貼り方次第で、スライスやフックの軽減、弾道の高さの調整、さらにはミート率の向上といった効果が期待できます。ただし、貼る位置や重量を間違えると、逆にスイングが不安定になったり、ミスが増えたりする可能性もあるため、正しい知識を持つことが重要です。
鉛を貼ることで変わるポイント
アイアンに鉛を貼ると、以下のような変化が起こります。
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バランスが変わる クラブの重心位置が変化することで、ヘッドの動きが変わります。例えば、トゥ側に鉛を貼るとフェースターンが抑えられ、フックを防ぐことができます。一方、ヒール側に貼るとフェースが閉じやすくなり、スライスを軽減する効果が期待できます。
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スイングのリズムが変わる アイアンの総重量が増えることで、スイング中のリズムが変わります。特に軽いクラブに慣れている人は、鉛を貼ることでタイミングが取りやすくなる場合があります。逆に、重すぎるとスイングスピードが落ち、飛距離をロスすることもあります。
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ミート率が向上する ヘッドの安定感が増すことで、スイートスポットに当たりやすくなり、結果としてミスヒットが減少します。特にダフリやトップのミスが多い人は、適切な場所に鉛を貼ることで、より安定したショットが打てる可能性があります。
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弾道の高さが変わる ソール後方に鉛を貼ると、重心が深くなり、ボールが上がりやすくなります。逆にフェース寄りに貼ると、低弾道になりやすいです。この調整をすることで、自分の理想的な弾道に近づけることができます。
鉛を貼る際の注意点
鉛を貼ることで多くのメリットがありますが、間違った使い方をすると逆効果になることもあります。例えば、貼る量が多すぎるとクラブが重くなりすぎてスイングのバランスが崩れたり、貼る位置を間違えると逆にショットの精度が落ちたりすることがあります。そのため、少量の鉛から試し、自分に合ったバランスを見つけることが大切です。
また、ルール上、ラウンド中に鉛の位置を変更することは認められていません。事前にしっかりと調整し、プレー中に剥がれたりしないようにしっかりと貼り付けるようにしましょう。
飛距離アップを狙う鉛の貼り方

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アイアンで飛距離を伸ばしたい場合、スイングスピードを上げるだけでなく、クラブの重心位置を適切に調整することも重要です。鉛の貼り方によって、ヘッドの挙動をコントロールし、飛距離アップにつながるセッティングを実現できます。ただし、単に鉛を増やせば良いというわけではなく、貼る場所によって効果が異なるため、慎重に調整することが必要です。
飛距離を伸ばすための鉛の貼り方
飛距離を伸ばすためには、スイングの効率を上げることがポイントになります。そのため、以下のような貼り方が有効です。
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ヘッドの後方に貼る ソールの後方、つまりバックフェースの底側に鉛を貼ると、重心が深くなります。これにより、インパクト時にロフト角が維持され、ボールが高く上がりやすくなります。高弾道のショットはキャリーが伸びるため、飛距離アップにつながります。
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フェース寄りの低い位置に貼る 低重心になるように、ソールの前側(フェース寄り)に鉛を貼る方法もあります。この方法では、ボールのスピン量が抑えられ、強い弾道で飛ばすことができます。特に、風の影響を受けやすい場面では低スピンのショットが有利になるため、飛距離を安定させることが可能です。
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シャフトに鉛を貼ってスイングスピードを向上させる シャフトの手元側に鉛を貼ることで、カウンターバランスの効果が生まれます。これにより、ヘッドの重みを感じづらくなり、スイングスピードを上げることができます。スイングスピードが向上すれば、自然とボール初速も上がり、飛距離が伸びる可能性があります。
飛距離アップを狙う際の注意点
鉛を貼ることで飛距離を伸ばすことができますが、貼り方によっては逆効果になる場合もあります。例えば、ヘッドが重くなりすぎるとスイングスピードが落ち、かえって飛距離が減少する可能性があります。また、シャフトのしなりが変わることでタイミングが合わなくなり、ミスショットの原因にもなりかねません。
さらに、アイアンは飛距離だけでなく、狙った位置にボールを運ぶコントロールも重要です。飛距離アップばかりを意識してしまうと、方向性が悪くなることもあるため、飛距離とコントロールのバランスを考えて調整することが大切です。
実際に試す際のポイント
鉛を貼る際は、一度に多く貼るのではなく、少しずつ試しながら調整することが推奨されます。例えば、1グラム程度の鉛を使い、ショットの感覚を確かめながら調整すると、最適なバランスを見つけやすくなります。また、打感やボールの飛び方がどのように変化するかを意識しながら試すことで、より効果的なカスタマイズが可能になります。
飛距離を伸ばすためには、スイング自体の改善も必要ですが、鉛の貼り方によって補助的に調整することで、自分に合ったセッティングを見つけることができます。まずは少量の鉛で試しながら、最適な貼り方を探してみましょう。
フックを防ぐためのアイアン鉛調整

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アイアンショットでフックが頻繁に出てしまう場合、スイングやグリップの影響も考えられますが、クラブのバランスを見直すことで改善できるケースもあります。その手段の一つが「鉛調整」です。適切な位置に鉛を貼ることで、フェースの動きをコントロールし、意図しないフックを防ぐことが可能になります。
フックが出る原因と鉛の貼り方
フックとは、ボールが左へ急激に曲がるミスのことを指します(右打ちの場合)。この現象は、インパクト時にフェースが過度に閉じてしまうことが主な原因です。これを防ぐためには、クラブのトゥ側に鉛を貼ることで、フェースが返りすぎるのを抑えることができます。
具体的な貼り方としては、以下の方法が考えられます。
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バックフェースのトゥ側に鉛を貼る
アイアンのバックフェースのトゥ寄りに鉛を貼ることで、クラブヘッドの慣性モーメントが大きくなり、フェースターンが抑えられます。これにより、インパクト時にフェースが過剰に閉じることを防ぎ、フックの発生を軽減できます。 -
ソールのトゥ寄りに鉛を貼る
ソールのトゥ側に鉛を配置すると、スイング中にクラブがより安定し、過度なフェースターンを防ぎやすくなります。これは特に、ダウンスイングで手が過剰に動いてしまう人に有効な方法です。
鉛を使った調整の注意点
フックを防ぐために鉛を貼る場合、重量のバランスに注意が必要です。重すぎると振りづらくなり、スイングのリズムが崩れる可能性があります。そのため、まずは1~2グラム程度の鉛を貼って試し、必要に応じて調整することが重要です。また、鉛を貼った後は実際に打球テストを行い、ボールの軌道や打感の変化を確認しながら微調整すると良いでしょう。
スライスを抑えるアイアンの鉛の使い方

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スライスは、多くのゴルファーが抱える悩みの一つです。特にアイアンでは、スライスが発生すると方向性が安定せず、思い通りのショットが打てなくなります。スイングの見直しも大切ですが、鉛を活用したクラブ調整によって、スライスを軽減することができます。
スライスの原因と鉛の貼り方
スライスとは、ボールが右へ大きく曲がるミスのことを指します(右打ちの場合)。この原因としては、フェースが開いた状態でインパクトを迎えることや、アウトサイドインのスイング軌道になっていることが考えられます。これを改善するためには、クラブヘッドのヒール側に鉛を貼ることが有効です。
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バックフェースのヒール側に鉛を貼る
バックフェースのヒール寄りに鉛を貼ることで、クラブの重心がヒール側に移動し、フェースの閉じる動きを促します。これにより、インパクト時にフェースが開きにくくなり、スライスの発生を抑えることができます。 -
ソールのヒール側に鉛を貼る
ヒール側のソール部分に鉛を貼ることで、クラブの重心角が変化し、スイング時のフェースの開きが軽減されます。これにより、フェースがスクエアな状態でインパクトしやすくなり、スライスを防ぎやすくなります。
スライス対策に鉛を貼る際の注意点
鉛を貼ることでスライスを抑えることは可能ですが、貼りすぎるとボールが左へ行きやすくなり、フックのミスが出ることがあります。そのため、少しずつ鉛の量を調整しながら、自分のスイングに最適なバランスを見つけることが大切です。また、鉛を貼るだけでなく、スイング軌道やグリップのチェックも並行して行うことで、より効果的にスライスを改善できるでしょう。
プロが実践するアイアンの鉛カスタマイズ

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プロゴルファーは、クラブの調整に非常にこだわりを持っています。その中でも「鉛を使ったチューンナップ」は、ツアープロの間では一般的なテクニックとして知られています。プロが鉛を活用する目的は、単に弾道を調整するだけでなく、クラブの振りやすさやミート率を向上させるためでもあります。
プロが鉛を貼る主な理由
プロがアイアンに鉛を貼る目的として、以下のようなものがあります。
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ヘッドのバランス調整
プロはアイアンの打感や振り心地に敏感であり、微妙なバランスの違いがスイングやショットに影響を与えます。そのため、トゥやヒールに鉛を貼ることで、振りやすさを微調整し、自分のスイングに最適なフィーリングを得るようにしています。 -
弾道のコントロール
試合中に風の影響を考慮し、ボールを高く上げたり低く抑えたりする必要があるため、鉛の位置を調整して弾道をコントロールすることがあります。例えば、ソールの後方に鉛を貼ると、ボールが上がりやすくなり、逆にフェース寄りに貼ると低弾道のショットが打ちやすくなります。 -
振り遅れの調整
プロのスイングスピードは速いため、フェースが開いて振り遅れることを防ぐために、ヒール側に鉛を貼ることがあります。逆に、フェースが閉じすぎる場合はトゥ側に鉛を配置し、適切なフェースターンができるように調整することもあります。
プロの鉛調整に学ぶポイント
プロの鉛の貼り方は、アマチュアにとっても参考になる点が多くあります。特に、鉛の貼る位置を細かく調整しながら、自分のスイングに合った最適なバランスを見つけることが重要です。また、プロは一度に大量の鉛を貼るのではなく、少量ずつ貼りながら変化を確認しているため、この方法を真似ることで、より効果的なカスタマイズが可能になります。
プロが実践する鉛の調整方法を学び、自分のクラブセッティングに応用することで、スイングの安定性を高め、より狙い通りのショットが打てるようになるでしょう。
アイアンの鉛の貼り方と他のクラブとの違い
・手元に鉛を貼るとシャフトが硬くなる?
・ユーティリティにも使える鉛の貼り方
・フェアウェイウッドとアイアンの鉛調整の違い
・クラブを重くする効果とデメリット
・自分に合った鉛の貼り方を見つけるコツ
シャフトに鉛を貼るとどうなる?

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シャフトに鉛を貼ることで、クラブの総重量が増し、振り心地やスイングのバランスが変化します。多くのゴルファーがヘッドの鉛調整を行いますが、シャフトに貼ることで得られるメリットも多く、特にスイングの安定性向上に寄与することが特徴です。適切な場所に鉛を貼ることで、クラブの特性を変えずに重量を増やし、自分に合ったクラブバランスに調整できます。
シャフトに鉛を貼る主な効果
シャフトのどこに鉛を貼るかによって、クラブの動き方が変わります。それぞれの影響を詳しく見ていきましょう。
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振りやすさが変わる
シャフトに鉛を貼ることで、クラブのバランスが変化し、振りやすさに影響します。例えば、シャフトの手元側に貼るとクラブ全体のバランスが軽く感じられ、スイングテンポが安定しやすくなります。逆にヘッド寄りに鉛を貼ると、ヘッドの重みを感じやすくなり、スイングスピードが変わることがあります。 -
ミート率が向上する
シャフトの適切な場所に鉛を貼ることで、スイング中の余計な動きを抑え、ミート率を向上させることができます。特に手元が浮きやすいゴルファーや、インパクト時に手が不安定になりやすい人にとっては、シャフトのバランス調整が効果的です。 -
スイングリズムが整う
軽いクラブだとスイングテンポが速くなりすぎたり、タイミングが取りにくくなったりすることがあります。シャフトに適量の鉛を貼ることで、スイングリズムを一定に保ち、無駄な力みを防ぐ効果が期待できます。
シャフトに鉛を貼る際の注意点
シャフトに鉛を貼ることで得られる効果は大きいですが、貼り方を間違えると逆効果になることもあります。例えば、貼る位置を誤るとスイングの感覚が狂い、ミスショットの原因になることがあります。また、鉛を貼りすぎると、クラブが重くなりすぎてスイングスピードが落ちることもあるため、少量から試しながら調整することが重要です。
手元に鉛を貼るとシャフトが硬くなる?

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シャフトの手元に鉛を貼ると、クラブ全体のバランスが変わり、結果としてシャフトのしなり方にも影響を与えます。「シャフトが硬くなる」と感じることがありますが、実際にはシャフト自体の硬さが変わるわけではなく、スイング時の感覚が変わることによるものです。
手元に鉛を貼ることで起こる変化
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カウンターバランス効果が生まれる
手元に鉛を貼ることで、クラブの重心が手元寄りに移動し、ヘッドが軽く感じられるようになります。これにより、スイング中のバランスが変わり、クラブが自然と振りやすくなる場合があります。特に、ヘッドが重く感じるクラブを使用している場合は、カウンターバランスを作ることでスイングの安定性が向上します。 -
シャフトのしなりが変わる
通常、シャフトのしなりはスイング中に発生しますが、手元に鉛を貼ることで、シャフトのしなり戻りのタイミングが変わることがあります。その結果、「シャフトが硬くなったように感じる」ケースがあるのです。実際にはシャフト自体の剛性が変わるわけではありませんが、スイング時のフィーリングが変化するため、硬さを感じることがあります。 -
スイングスピードが上がる可能性がある
ヘッドの重さを感じにくくなることで、スイングスピードが向上することがあります。これは、ヘッドの重量感を抑えることで手元の動きがスムーズになり、結果としてスイング全体の流れが良くなるためです。
手元に鉛を貼る際の注意点
手元に鉛を貼ることでクラブのバランスが変わるため、最適な重量を見極めることが重要です。鉛を貼りすぎると、ヘッドの存在感が薄れすぎてミート率が低下することもあります。そのため、1グラム程度の小さな鉛を貼りながら、振り心地を確認することをおすすめします。また、実際にボールを打ってみて、打感や弾道に変化があるかをチェックすることも大切です。
ユーティリティにも使える鉛の貼り方

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ユーティリティは、フェアウェイウッドとアイアンの中間的な存在として、多くのゴルファーにとって重要なクラブです。そのため、鉛を使ったカスタマイズによって、飛距離や弾道を調整し、より扱いやすいクラブにすることができます。アイアンと同様に鉛を貼ることができますが、ユーティリティ特有の特性を考慮しながら貼ることがポイントです。
ユーティリティの鉛の貼り方とその効果
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スライスを抑えたい場合:ヒール側に貼る
ユーティリティでスライスが出やすい場合、ヒール側に鉛を貼ることで、フェースターンを促し、ボールがつかまりやすくなります。特に、ユーティリティは長さがあり、スイング時にフェースが開きやすい傾向があるため、この調整が有効です。 -
フックを防ぎたい場合:トゥ側に貼る
逆に、フックが多い場合は、トゥ側に鉛を貼ることでフェースターンを抑えることができます。これにより、過度な左方向への曲がりを軽減し、安定したストレートボールを打ちやすくなります。 -
弾道を高くしたい場合:ソール後方に貼る
高弾道のショットを打ちたい場合は、ソールの後方に鉛を貼ることで、重心を深くし、ボールの打ち出し角度を上げることができます。ユーティリティはもともと高弾道を打ちやすいクラブですが、ロフトが立っているモデルなどでは、この調整が役立つことがあります。 -
低弾道で抑えたい場合:フェース寄りに貼る
逆に、弾道を低く抑えたい場合は、フェース寄りに鉛を貼ることで、重心を浅くし、スピン量を減らすことが可能です。これにより、風の影響を受けにくくなり、ライナー性の強いショットが打ちやすくなります。
ユーティリティの鉛調整で気をつけること
ユーティリティは、ショートアイアンのように細かい操作を求められるクラブではないため、鉛の調整は慎重に行う必要があります。貼りすぎるとバランスが崩れ、逆に振りにくくなることもあるため、少量ずつ調整しながら試すことが大切です。自分のスイングや球筋に合わせて適切な貼り方を見つけることで、より扱いやすいユーティリティに仕上げることができます。
フェアウェイウッドとアイアンの鉛調整の違い

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フェアウェイウッドとアイアンはクラブの構造や使用目的が異なるため、鉛を貼る際の考え方や調整方法にも違いがあります。フェアウェイウッドは飛距離を重視し、スイングの安定性を高めることが目的となるのに対し、アイアンはコントロール性能を求められるクラブであるため、鉛の使い方が変わってきます。
フェアウェイウッドの鉛調整
フェアウェイウッドの鉛調整では、主に飛距離と弾道の安定性を向上させることが目的となります。以下のような貼り方が一般的です。
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スライス対策:ヒール側に鉛を貼る
フェアウェイウッドでスライスしやすい場合、ヒール側に鉛を貼ることでフェースターンを促し、つかまりやすくなります。これにより、右に流れるミスを軽減できます。 -
フック対策:トゥ側に鉛を貼る
逆に、フェースが閉じすぎてフックが出やすい場合は、トゥ側に鉛を貼ることでフェースターンを抑え、打球をストレートに近づけることができます。 -
弾道調整:ソール後方に鉛を貼る
高弾道を求める場合、ソールの後方に鉛を貼ると重心が深くなり、ボールが上がりやすくなります。特にフェアウェイウッドはロフトが立っているため、ボールをしっかり上げたい場合に有効です。 -
低スピン・低弾道:フェース寄りに鉛を貼る
風の影響を受けにくく、低スピンで強い球を打ちたい場合は、フェース寄りに鉛を貼ることでスピン量を抑え、直進性の高い弾道を生み出すことができます。
アイアンの鉛調整
一方で、アイアンの鉛調整は、飛距離よりも方向性やコントロール性能を高めることが目的になります。
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方向性の改善
フェアウェイウッドと同様に、スライス対策としてヒール側、フック対策としてトゥ側に鉛を貼る方法があります。ただし、アイアンは比較的短いクラブであるため、フェアウェイウッドほどの大きな変化は見られません。 -
弾道の高さ調整
アイアンでは、弾道を上げたい場合はソール後方に鉛を貼り、逆に低弾道を狙う場合はフェース寄りに貼るのが一般的です。フェアウェイウッドと異なり、アイアンは打ち出し角が変わりやすいため、鉛を貼る場所に注意が必要です。 -
バランス調整
アイアンでは、振りやすさを向上させるためにシャフトやヘッド全体の重量バランスを考慮した鉛貼りが求められます。例えば、クラブの振り心地を調整するために、シャフトの手元に鉛を貼ることもあります。
両クラブの鉛調整の違いを理解する
フェアウェイウッドとアイアンでは、鉛を貼る目的が異なり、それぞれのクラブの特性を活かしながら調整することが大切です。フェアウェイウッドは主に飛距離と弾道の安定性を重視し、アイアンは方向性やコントロールを最適化するために鉛を使い分けることで、より理想的なショットを実現できます。
クラブを重くする効果とデメリット

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クラブを重くすることにはさまざまなメリットがありますが、適切に調整しないとデメリットが生じる可能性もあります。特に鉛を使ってクラブの重量を増やす場合は、スイングやバランスに与える影響を考慮しながら行うことが重要です。
クラブを重くするメリット
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ミート率が向上する
クラブが軽すぎると手打ちになりやすく、スイングの安定性が低下します。適度に重量を増やすことで、体全体を使ったスイングがしやすくなり、ミート率の向上につながります。 -
スイングテンポが整う
軽いクラブは速く振りすぎる傾向があり、リズムが崩れやすくなります。適度な重量を持たせることでスイングテンポが安定し、スムーズなスイングが可能になります。 -
方向性が良くなる
クラブが重いと、スイング中のブレが少なくなり、フェースの向きを一定に保ちやすくなります。これにより、ボールの方向性が向上し、狙った位置に打ちやすくなります。
クラブを重くするデメリット
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スイングスピードが落ちる
重くなりすぎると、クラブを振るのに余計な力が必要となり、結果的にスイングスピードが低下してしまうことがあります。飛距離が落ちる可能性があるため、適切な重量調整が重要です。 -
疲れやすくなる
重いクラブは体への負担が大きくなり、長時間プレーする際に疲れやすくなります。特に高齢のゴルファーや体力に自信がない人は、重さを増やしすぎるとスイングに悪影響を及ぼすことがあります。 -
タイミングがズレることがある
重心が変わることでスイングのタイミングがズレることがあります。特にシャフトに鉛を貼る場合は、振りやすさを考慮しながら調整しないと、打点のブレにつながることがあります。
自分に合った鉛の貼り方を見つけるコツ

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鉛を貼ることでクラブのバランスやスイングの感覚を調整できますが、どこにどれくらい貼ればよいのかを見極めることが重要です。自分に合った鉛の貼り方を見つけるためには、段階的な調整と試行錯誤が必要になります。
鉛の貼り方を試す際のポイント
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少量ずつ試す
最初から多くの鉛を貼るのではなく、1~2グラムずつ試しながら調整することが重要です。小さな変化を感じながら、自分に合った貼り方を見つけることができます。 -
目的を明確にする
鉛を貼る目的を明確にすることで、適切な貼り方が見えてきます。例えば、スライスを改善したい場合はヒール側に、飛距離を伸ばしたい場合はソール後方に貼るなど、目的に応じて貼る場所を決めることが大切です。 -
実際に打って確認する
鉛を貼ったら、必ず試し打ちをして弾道や打感を確認しましょう。感覚だけでなく、ボールの飛び方にどう影響が出ているのかを分析することで、最適な調整が可能になります。 -
バランスを考慮する
片側に貼りすぎるとバランスが偏り、スイングしづらくなることがあります。そのため、全体の重量配分を考慮しながら、適度に調整することが重要です。
鉛の貼り方を工夫することで、クラブを自分に合った仕様に調整でき、スイングの安定性やショットの精度が向上します。少しずつ調整しながら、自分にとって最適なバランスを見つけていきましょう。
アイアンの鉛の貼り方:基本と効果を総括
記事のポイントをまとめます。
✅アイアンに鉛を貼るとクラブバランスが変わり、スイングや弾道に影響を与える
✅鉛の貼る位置によってスライスやフックを軽減できる
✅ソール後方に貼ると重心が深くなり、弾道が高くなりやすい
✅フェース寄りに貼ると低弾道の打球が打ちやすくなる
✅ヒール側に貼るとフェースが閉じやすくなり、スライス防止に効果的
✅トゥ側に貼るとフェースターンが抑えられ、フックの発生を防げる
✅シャフトに鉛を貼るとスイングバランスが変わり、リズムが安定しやすい
✅手元に鉛を貼るとクラブ全体の重量が分散され、振りやすくなる
✅飛距離を伸ばすにはソール後方やフェース寄りの鉛調整が有効
✅フェアウェイウッドはアイアンよりも弾道調整の影響が大きい
✅ユーティリティにも鉛を使うことで方向性や高さの調整が可能
✅クラブを重くしすぎると振りづらくなり、スイングスピードが低下する
✅プロは0.5〜1グラム単位で鉛を調整し、細かくフィーリングを合わせる
✅鉛の調整は少量から試し、実際に打ちながら最適なバランスを探る
✅ルール上、ラウンド中の鉛の位置変更は認められていないため事前調整が重要
参考資料:
・ウエイトの貼り方 手軽にクラブをチューニング
・【ゴルフ】鉛で調整しよう~スコア100切りの先へ#51~
・スライサーは鉛を貼ったらダメ!?宮城裕治さんが教えてくれた正しい貼り方
関連記事:
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